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特集 糖尿病と心合併症2017~循環器専門医との連携を図る

Ⅰ.糖尿病患者の心疾患リスクの特性を理解する ③心臓突然死・重症不整脈

庭野慎一

Diabetes Frontier Vol.28 No.5, 513-516, 2017

厚生労働省の国民健康・栄養調査によれば,現在わが国では実に国民全人口の約5分の1が糖尿病を強く疑われる,あるいは糖尿病の可能性が否定できない(平成19年度調査において,おのおの890万人および1,320万人)状態にあるとされており,まさに国民病としての様相を呈している。糖尿病の問題点は,網膜障害,腎障害,神経障害に代表される種々の合併症を引き起こすことに集約されるが,循環器領域においても,血管障害や自律神経障害を背景とする種々の病態が発生することが知られている。心筋傷害や血管障害による病態は他稿にその詳細を譲るが,同様に心房細動や心室頻拍などの不整脈が合併しやすいことも知られている1)-3)。本稿では,特に心臓突然死に関わる重症心室性不整脈に着目し,糖尿病患者における疫学ならびにその発生機序について概説する。
「KEY WORDS」糖尿病/心臓突然死/自律神経障害/QT延長/電気的構造的変化

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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