骨格筋は日常生活における力発揮に欠かせない身体組織であり,高齢者の機能的自立にも必須である。しかし成人の骨格筋量は20歳を過ぎると50歳までに約5~10%低下し,さらにその後50~80歳までにさらに30~40%の筋量が減少することが報告されている1)。この加齢に伴う筋量減少と筋機能の低下をサルコペニア(sarcopenia,ラテン語でsarco=肉,penia=減少を意味する)と呼ぶ。サルコペニアは,①筋力低下による転倒の危険性の増加,②筋量の減少に伴うインスリン抵抗性やメタボリックシンドローム発症リスクの増加,③疾病やケガに伴う組織の修復に必要なアミノ酸供給源としての筋量減少,など高齢者の機能的自立を奪うさまざまな障害のリスクを増加する。
先制医療における栄養の役割―ライフコースヘルスケア―
高齢者の栄養:サルコペニアと栄養・運動
掲載誌
Diabetes Frontier
Vol.28 No.5 489-494,
2017
著者名
藤田聡
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
糖尿病
/
栄養管理
診療科目
リハビリテーション科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
Diabetes Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。