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【各論】3.糖尿病における急性細菌感染症

Diabetes Frontier Vol.28 No.4, 412-416, 2017

糖尿病患者では,非糖尿病者と比べて肺炎(1.75倍),尿路感染症(3.03倍),皮膚感染症(2.43倍),敗血症(2.40倍)などさまざまな感染症での入院リスクが高い1)。糖尿病患者の感染症の罹患/増悪リスクの上昇には多くの要因が関与する。高血糖は遊走能,接着能,貪食能など好中球のさまざまな機能を障害し2),末梢の動脈硬化に伴う循環不全は,局所の相対的虚血や低栄養,抗菌薬の病変部への到達率の低下などを介して感染の重症化に関わる。糖尿病患者にみられる神経障害も感染症のリスク増加と関連している。神経因性膀胱による排尿障害は尿路感染症の,胆嚢の収縮機能低下は胆嚢炎の,下肢の末梢神経障害は壊疽の直接的なリスクとなる。
わが国における糖尿病患者の感染症の内訳は呼吸器感染症が41%と最多で,尿路感染症(24%),皮膚軟部組織感染症(17%)が,これに続く(図)3)。近年,日本人の死因に占める肺炎の割合は増加しているが,2001~2010年の糖尿病患者を対象とした死因調査でも,感染症が死因に占める割合は17.0%と1991~2000年の14.3%より増加しており,糖尿病患者の感染症管理の重要性は増しつつあるといえる4)
本稿では,糖尿病患者を診療する上で日常的によく遭遇する細菌感染症について述べるとともに,比較的稀ではあるものの糖尿病と関連性が深い特殊な感染症についても概説する。
「KEY WORDS」糖尿病,感染症,敗血症

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抄録