メタボリック因子の数をスコア化したME scoreはインスリン抵抗性の独立した決定因子である。今回はMatsuda index(MIX)に対して2つの推算式:eMIX(1)とeMIX(2)を作り臨床応用の可能性を検討した。eMIX(1)はBMIとME scoreから,eMIX(2)はBMIとTG/HDL-C比,収縮期血圧(SBP),FPGから重回帰式を作り推算値を求めた。MIXと推算値はデータ分布に差があり,MIXの低値側を推算式では過小評価する可能性はあるが,MEscore別に4群に分けると各指標の平均値や傾向はきわめて類似し,寄与率から推算式にはeMIX(2)が好ましいと考えられた。eMIX(2)=22.8-0.21×BMI-0.23×(TG/HDL-C)-0.02×SBP-0.08×FPGで表され,糖負荷試験を行うことなく簡便にMIXを推定でき,異なる集団のインスリン抵抗性を比較する上で有用と考えられた。
「key words」インスリン抵抗性,Matsuda index,メタボリックシンドローム,肥満