私は2016年の4月よりUCSD(University of California, San Diego)のGlass Labでポスドクとして研究生活を送っています。渡米して8ヵ月と長くはありませんが,留学を考えておられる先生方の参考になればと思い,UCSDでの研究生活について紹介させていただきます。
留学するきっかけはさまざまだと思いますが,私の場合は研修医として働き始めた頃から感じていた,留学を経験された先輩の先生方に対する漠然とした憧れが大きかったと思います。渡米前は,国立国際医療研究センター糖尿病研究センター分子代謝制御研究部(松本道宏部長)に所属し,肝臓の糖新生系酵素遺伝子の転写制御に関する研究を行っていました。留学先のラボを選ぶ際に考えたのは,興味のある代謝疾患と転写メカニズムの研究に軸足を置きながら,これまで経験してこなかった分野に挑戦したいということでした。