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特集 SGLT2阻害薬の光と影

Ⅰ SGLT2阻害薬の臨床効果“光の部分” ③脂肪肝改善効果

―生体エネルギー欠乏と肝臓代謝調節―

川名洋平今井淳太片桐秀樹

Diabetes Frontier Vol.27 No.6, 708-712, 2016

脂肪肝は,肝細胞に主に中性脂肪が沈着して肝障害をきたす疾患の総称である。誘因として肥満・糖尿病・脂質異常症といったメタボリックシンドローム,アルコール摂取,薬剤,栄養障害,肝炎ウイルス,先天代謝異常などがある。特に非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)および非アルコール性脂肪性肝炎 (nonalcoholic steatohepatitis:NASH)は近年増加の一途をたどり,主に肝炎,肝硬変,肝癌への進展リスクとなることから深刻な問題となっている。わが国におけるNAFLDの有病率は健診受診者の30%,NASHの頻度は成人の2~3%と推定されるが1),糖尿病患者では非糖尿病患者に比べNAFLD/NASHの合併率が高い2)。
「key words」SGLT2阻害薬,脂肪肝,NAFLD/NASH,糖代謝,脂肪代謝

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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