わが国における糖代謝異常合併妊娠の妊娠転帰に関する全国調査は,1971年より東京女子医科大学の大森安恵元教授(現 海老名総合病院・糖尿病センター)のもと5年ごとに行われ,1996年以降は日本糖尿病・妊娠学会特別研究事業として実施された1)-3)。また,同学会の特別研究事業の1つとして,2014年に,妊娠糖尿病(gestational diabetes mellitus:GDM)旧診断基準の1点のみの異常を軽症GDMと定義し,それらの対象者への治療介入効果を検討した多施設共同後ろ向き研究結果が発表された3)4)。2010年のGDM新診断基準の導入以降,GDMと診断される頻度が増加していることから,わが国においても新基準に基づく前向き研究の実施が必要と考えられ,2016年度から日本糖尿病・妊娠学会の研究事業としてGDM・糖尿病合併妊娠の妊娠転帰および母児の長期予後に関する登録データベース構築による多施設前向き研究(Diabetes and pregnancy Outcome for Mother and Baby Study:DREAMBeeスタディ)に移行している。
「key words」妊娠糖尿病,多施設研究