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総説

日本糖尿病協会の糖尿病教育・支援ツールを活かす

~質の高い療養指導の均てん化に向けて~

矢部大介清野裕

Diabetes Frontier Vol.27 No.5, 567-575, 2016

2012年の国民健康栄養調査の結果から,わが国の糖尿病患者は950万人,予備軍の1,100万人と合わせて,その合計は約2,050万人と2007年の約2,210万人と比してわずかに減少に転じた1)。しかし,糖尿病は合併症出現まで自覚症状が乏しく,治療を拒む患者が多いため,受療者は依然6割にとどまり,より厳格な血糖コントロールが必要な若年層の継続受診者は4割しかない1)。合併症重症化に伴う透析導入や失明,下肢切断などを考慮すると,患者が糖尿病の継続治療の重要性を発症早期に学ぶことができる体制作りを,かかりつけ医・病院・地域行政などが連携して一層強化することが喫緊の課題である。しかるに,わが国では一定の質を担保した糖尿病教育・支援の均てん化もままならない。この背景には糖尿病専門医や日本糖尿病療養指導士などの偏在による地域格差の問題に加え,体系的な糖尿病教育プログラムや教育プログラムで活用されるべきツールが十分に普及していないことも挙げられる。さらに糖尿病教育・支援が多職種によるチーム医療であるにも関わらず,わが国における糖尿病教育の現状や課題について,職種を超えて横断的議論する場がなかったことも一因であろう。本稿では糖尿病教育プログラムの現状と課題を振り返り,日本糖尿病協会が開発,推進する教育ツールについて概説するとともに,多職種によるチーム医療を効率的に実施するため,職域を超えて糖尿病教育・支援について議論する学術集会についても紹介する。
「key words」糖尿病カンバセーション・マップTM,療養指導カード,療養指導者学習支援DVD,日本糖尿病療養指導学術集会

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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