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特集 糖尿病の遺伝素因の解明研究

遺伝素因と環境素因の相互作用 ②糖尿病発症におけるエピジェネティクス効果の解析

橋本貢士小川佳宏

Diabetes Frontier Vol.27 No.4, 456-460, 2016

2型糖尿病の発症と進展には遺伝子そのものの影響(genetics,ジェネティクス)と環境因子による影響が関わっている。そして遺伝因子と環境因子の相互作用に関わるのがエピジェネティクス(epigenetics)である。エピジェネティクスとは,遺伝子の塩基配列の変化を伴わない遺伝子発現制御機構であり,①DNAメチル化,②ヒストン修飾,および③非コードRNAによる転写調節が含まれる。これらの修飾を受けたゲノムDNAをエピゲノムと称する。エピゲノム変化はさまざまな疾患の発症・進展に関与しているが,2型糖尿病の発症と進展との関連で最も注目すべき点は,エピゲノム変化は栄養などの環境因子に大きく影響を受けることである。本稿ではエピゲノム変化のうち,環境因子がゲノムレベルで影響を及ぼす分子機構として考えられているDNAメチル化に焦点を当て,その2型糖尿病の発症と進展への関与を概説する。
「key words」エピジェネティクス,DOHaD仮説,DNAメチル化,CpG-SNPs

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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