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特集 アディポサイエンス・フロンティア

Ⅱ アディポサイエンス・トランスレーショナル 慢性炎症のフロンティア

菅波孝祥田中都小川佳宏

Diabetes Frontier Vol.27 No.3, 309-314, 2016

「はじめに」近年,種々の慢性疾患に共通の基盤病態として「慢性炎症」が注目されている。従来,動脈硬化や自己免疫性疾患などにおいて慢性炎症の分子メカニズムや病態生理的意義が精力的に研究されてきたが,最近では,肥満や癌,神経変性疾患なども慢性炎症性疾患の一面を有することが明らかになってきた。したがって,慢性炎症の分子機構の解明は,数多くの慢性疾患の治療法や予防法の開発に応用できる可能性がある。しかしながら,慢性炎症の実態はいまだ不明の点が多い。たとえば,「急性炎症」と異なり,多くの「慢性炎症」では,発赤,発熱,腫脹,疼痛などの明確な徴候を呈さない。一方,炎症性サイトカインやケモカイン,種々の炎症細胞など両者に共通のメカニズムといえる。慢性炎症の特徴として,「組織リモデリング」が挙げられる。すべての臓器は,その臓器を特徴づける「実質細胞」とそれ以外の「間質細胞」から構成される。間質細胞には,血管構成細胞,免疫担当細胞,組織幹細胞,線維芽細胞など多彩な細胞が含まれ,臓器や病態に特徴的なプロフィールを有している。
「key words」アディポサイトカイン,遊離脂肪酸,マクロファージ,脂肪細胞,肥満

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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