糖尿病足病変
皮膚科的診断と治療
Diabetes Frontier Vol.27 No.3, 265-269, 2016
「はじめに」糖尿病足病変は「神経障害や末梢血流障害を有する糖尿病患者の下肢に生じる感染,潰瘍,深部組織の破壊性病変」と定義されている。一口に糖尿病足病変といっても,いろいろな病変から進展して発症するため,糖尿病患者にはそれらの病変に対する治療が必要である。実際,胼胝を自分でけずった数日後にそこから感染を起こし,蜂窩織炎や深部感染症になり,下肢切断にまで至るという例はよくある。最近,抗菌剤内服で様子をみられ,受診時にはすでに骨が融解していて下肢切断が避けられない例が増えている。
「足病変に進展する可能性のある疾患の治療」足病変に限らず皮膚に異変があれば皮膚科を受診するため,糖尿病患者の増加に伴い皮膚科を受診する糖尿病患者も増加している。糖尿病患者の足では,皮膚の乾燥,亀裂,胼胝・鶏眼,足白癬・爪白癬,糖尿病性水疱,低温熱傷などが多い。
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