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特集 日本人糖尿病の大規模臨床・疫学研究

久山町研究

向井直子清原裕

Diabetes Frontier Vol.26 No.6, 694-698, 2015

「はじめに」近年わが国では,生活習慣の欧米化に伴い糖尿病が増加しており,重大な懸念事項となっている。糖尿病は細小血管症や大血管症などのさまざまな合併症を引き起こすことが知られているが,最近の報告では糖尿病はさらに多くの疾病と関わることが明らかになりつつある。そこで本稿では,福岡県久山町において長年にわたり継続中の疫学調査(久山町研究)の成績を用いて,地域住民における糖尿病の有病率の時代的推移とその合併症について述べる。
「Ⅰ.久山町研究とは」久山町は福岡市の東に隣接する人口約8,400人の都市近郊型の比較的小さな町である。町の年齢・職業構成は過去50年間にわたり全国平均と近似しており,住民の栄養摂取状況も国民健康・栄養調査の成績と同様のレベルで推移している。つまり,久山町住民は偏りの小さい標準的な日本人のサンプル集団と考えられる。この町では,1961年から50年以上にわたり脳卒中をはじめとする生活習慣病の疫学調査が行われている。
「key words」久山町研究,糖尿病有病率,心血管病,悪性腫瘍,認知症

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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