<< 一覧に戻る

特集 超高齢社会における糖尿病診療

久山町研究からみた高齢者糖尿病の臨床疫学

清原裕

Diabetes Frontier Vol.26 No.5, 559-564, 2015

「はじめに」近年,わが国では,高齢人口の急速な増加と生活習慣の欧米化によって,肥満とともに糖尿病の有病率が増加している。糖尿病はさまざまな合併症を引き起こし,生命予後,生活の質(QOL)に大きな影響を与える深刻な疾患である。糖尿病の代表的な合併症は細小血管障害と大血管障害であるが,最近糖尿病はさらに多くの疾患と関わることが明らかになりつつあり,公衆衛生上の新たな問題として大きな注目を集めるようになった。そこで,本稿では,福岡県久山町において長年にわたり継続中の生活習慣病の追跡研究(久山町研究)の成績より,わが国の地域住民における糖尿病合併症について述べる。
「Ⅰ.久山町研究とは」久山町は福岡市の東に隣接する人口約8,400人の都市近郊型の町で,住民の年齢構成および就労人口の産業構成は過去50年にわたり日本の平均レベルを維持している。また栄養摂取状況も国民健康・栄養調査の成績とほぼ変わりなく推移している。この町では,1961年より55年にわたり精度の高い生活習慣病の疫学調査が行われている。
「key words」糖尿病,心血管病,悪性腫瘍,認知症,コホート研究

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る