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特集 インスリン抵抗性~メカニズムに基づく新しい治療法の探求~

特集にあたって

植木浩二郎

Diabetes Frontier Vol.26 No.3, 297, 2015

インスリン抵抗性は,細胞外のインスリン濃度に応じた細胞内のインスリン作用が認められない状態と言えるが,2型糖尿病の主要な病態あるいは病因であるのみならず,心血管イベントやNASHなどの基盤となっている。1990年代にインスリンシグナル伝達経路はほぼ明らかにされたが,インスリン抵抗性がどのようにして生じるのかについての理解は不十分であった。最近,個体レベルのインスリン抵抗性は必ずしも各臓器に於けるcell autonomousなインスリンシグナルの抑制によって起きるのではなく,脂肪組織,肝臓,骨格筋などから分泌される液性因子や中枢を介した神経調節などの臓器間連関によって生じていることが明らかとなってきた。さらに,腸内細菌叢による肥満やインスリン感受性の調節,褐色脂肪細胞・ベージュ細胞によるエネルギー代謝調節など,治療のターゲットとしても大きな関心が集まってきている。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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