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基礎講座 インスリン作用のKey Molecules

インスリン受容体基質(IRS)とその役割

窪田直人門脇孝

Diabetes Frontier Vol.26 No.2, 221-226, 2015

「はじめに」インスリン受容体基質(insulin receptor substrate:IRS)はインスリンシグナルを伝達する最初の細胞内基質であり,さまざまな臓器におけるIRSの機能障害がインスリン抵抗性において重要な役割を果たしていることが明らかとなってきている。本稿ではIRSの生理的・病態生理的役割を中心に概説したい。
「Ⅰ.概念」メタボリックシンドロームの基盤病態はインスリン抵抗性でありその重要性の認識は2型糖尿病患者が高インスリン血症を呈していたという発見に始まる。その後,ヒトや発生工学的手法を用いた動物の研究などにより,インスリンシグナル分子の個体における糖尿病・インスリン抵抗性における役割が明らかになってきた。インスリン抵抗性とは,生理的なインスリンシグナル伝達機構のいずれかの段階に異常が生ずることによって発生すると考えられるが,インスリンシグナルは,まず,インスリン受容体が活性化され,次いでIRSがリン酸化されその生理的作用が下流に伝えられており,最近インスリン抵抗性におけるIRSの重要性が注目されている。
「Key Words」インスリン受容体基質(IRS),インスリンシグナル,インスリン抵抗性,遺伝子欠損マウス

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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