特集 高血圧と臓器障害
高血圧と神経障害
Diabetes Frontier Vol.26 No.2, 200-204, 2015
「緒言」糖尿病と高血圧症の合併症例が多いことはよく知られており,糖尿病患者における高血圧症の特徴として,レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の亢進と自律神経系調節障害が挙げられる。そのなかでも自律神経系の異常については,近年,糖尿病患者において高頻度のnon-dipper型夜間高血圧と夜間心拍数降下不良が明らかとなり,高血圧症が糖尿病患者に与えるインパクトが再評価されている。本稿では,特に高血圧症と糖尿病性神経障害の関係に注目して取り上げたい。なお,糖尿病性神経障害は慢性高血糖状態によって生じる種々の末梢神経障害であるが,本稿においては,このなかでも,臨床で最も高頻度に認められる糖尿病性多発神経障害(diabetic polyneuropathy:DPN)との関連について紹介する。
「key words」糖尿病,高血圧症,神経障害,RAS阻害薬
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