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特集 高血圧と臓器障害

糖尿病患者における高血圧の合併は臓器障害のリスクを上げる:疫学的検討から

浅山敬大久保孝義

Diabetes Frontier Vol.26 No.2, 156-161, 2015

「はじめに」糖尿病患者は高率に高血圧を合併し,逆に高血圧患者の糖尿病合併率は高い。高血圧患者の血圧管理状況はただでさえ満足できる状況にはないが1),わが国の高血圧患者3,400名の降圧管理状況の調査では,糖尿病合併患者で130/80mmHg未満に管理されていた例は全体の12%に過ぎず2),糖尿病合併患者における血圧管理状況は一層不良である。多くの高血圧患者で多剤併用療法が可能となった現在でも,同じ調査研究では患者全体での降圧薬が平均1.7剤3),糖尿病合併例でも平均2.0剤2)に留まっている。高血圧と糖尿病の合併による臓器障害,循環器疾患リスクの上昇について,本稿では国内外の代表的な疫学・臨床試験の結果を概説する。
「key words」高血圧合併糖尿病,家庭血圧,24時間自由行動下血圧,疫学,臨床試験

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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