特集 高血圧と臓器障害
特集にあたって
Diabetes Frontier Vol.26 No.2, 155, 2015
糖尿病患者に高率に高血圧が合併し,細小血管障害や大血管障害の発症に強く関わることはよく知られている。本誌でも,2009年12月号で「糖尿病の血圧管理」として,2011年10月号で「高血圧と糖尿病」という特集が組まれている。久しぶりに高血圧に関する特集を組んでいただけたことは,折しも2014年の4月に日本高血圧学会が高血圧治療ガイドラインを5年ぶりに改訂し,高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)を公表しており,時宜を得た特集になった。今回はまず,糖尿病患者における高血圧の合併が臓器障害のリスクを高めることを,わが国や欧米の疫学的成績を引いて解説していただいた。2010年のACCORD-BP試験の発表以降,2013年に発表された欧米のガイドラインでは糖尿病患者の降圧目標を,米国糖尿病学会・ヨーロッパ高血圧学会/心臓病学会・米国のJNC 8は,それぞれ140/80mmHg未満・140/85 mmHg未満・140/90 mmHg未満と緩和している。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。