「はじめに」近年の情報過多の生活背景を受け,糖尿病患者が実践する食事療法にも大きな変化が生まれている。特に「食事療法」を実践するにあたっての落とし穴として注意いただきたい項目がある。たとえば,「○○食品には××という成分が豊富に含まれているので,○○食品をしっかり食べましょう!!」というように,「これを食べましょう!」という情報には患者の皆さんは飛びつきがちである。具体的にいえば,「オリーブオイルが良い!ゴマが良い!血圧予防にチョコレートが良い!」といった情報をすべて鵜呑みにして各種食品を食生活に取り込むと,どのような結果になるかは想像に難しくないと思われる。すなわち,これら注意情報においてのポイントは,患者が実践しやすいこと(すなわち,食べることを抑制されない)が最も行動変容を起こしやすい重要なポイントにはなると思われる。これら患者が実践しやすいという注意点を踏まえて,われわれが日常的に行っている実践的体重管理のための栄養指導ポイントを紹介してみたいと思う。
「key words」肥満,2型糖尿病,体重管理,行動変容,血糖管理