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特集 インスリン分泌促進薬の現状と新たな展望

インスリン分泌促進薬の多面的作用

園田紀之井口登與志

Diabetes Frontier Vol.25 No.5, 569-575, 2014

「はじめに」インスリン分泌促進薬は,β細胞機能が低下した日本人2型糖尿病の治療でこれまで最も多く使用されてきた薬剤である。現在使用可能なインスリン分泌促進薬としてはスルホニルウレア(sulfonylureas:SU)薬,速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)ならびにインクレチン関連薬がある。本稿では主にSU薬とグリニド薬の血糖低下作用を超えた多面的作用についてこれまでの知見を中心に概説する。
「Ⅰ.SU薬の構造的特性とSU受容体分布からみた作用臓器と多面的効果」SU薬は基本骨格としてSU骨格を有し側鎖構造の違いにより複数の薬剤が製剤化されている(図1)。このなかでグリベンクラミドやグリメピリドはベンズアミド骨格を併せ持ち,グリグラジドやトルブタミドはベンズアミド骨格をもたない。またSU薬は細胞膜のSU受容体を介してその作用を発揮する。このようなSU薬の構造的違いとSU受容体の分布がSU薬の膵外作用を理解する上でも重要である。
「key words」スルホニルウレア(SU)薬/グリニド薬/膵外作用/多面的作用

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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