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総説

高齢者糖尿病におけるサルコペニアとフレイル

横野浩一

Diabetes Frontier Vol.25 No.5, 543-554, 2014

「はじめに」超少子高齢社会が進行するとともに高齢者糖尿病の頻度が増加している。その増加の成因の1つに加齢に伴う体組成の変化である骨格筋の減少,すなわちサルコペニアが関与している。老年医学的にはサルコペニアは老化現象の根幹の変化として捉えられており,高齢者をフレイル(虚弱)に陥れる大きな要因となる。フレイルは,サルコペニアに認知機能低下などの精神的要因が加わった老化に伴う種々の健康障害に対する脆弱性が増加している状態と定義される。そのためサルコペニアの成因解明や,その早期予防と治療に関する研究が進められている。その一方で,高齢者糖尿病そのものがサルコペニアの原因である可能性も指摘されている。罹病期間が長く,血糖コントロールが不良な高齢者糖尿病ではサルコペニアの頻度が増加することが知られている。
「Key Words」超少子高齢社会,高齢者糖尿病,サルコペニア,フレイル,認知症

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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