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特集 糖尿病強化療法―低血糖を巡る諸問題

Ⅲ.糖尿病薬物治療における低血糖回避の試み―最近の進歩 GLP-1受容体作動薬と低血糖

松本実紀矢部大介黒瀬健清野裕

Diabetes Frontier Vol.25 No.4, 451-457, 2014

[はじめに] 糖尿病治療において良好な血糖コントロールを維持することは合併症の発症・進展抑制のために極めて重要である. DCCT (Diabetes Control and Complications Trial)やUKPDS (United Kingdom Prospective Diabetes Study), Kumamoto Studyといった臨床試験から厳格な血糖管理により細小血管障害の発症を抑制しうることが明らかにされている1)-3). 一方, より厳格な血糖管理により大血管障害の発症抑制を検討したACCORD (Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes), ADVANCE (Action in Diabetes and Vascular disease: PreterAx and DiamicroN Controlled Evaluation), VADT (Veterans Affairs Diabetes Trial)の3試験では, 大血管障害が抑制される傾向にあるものの, ACCORDでは総死亡率の有意な増加を認めるにいたった4)-6).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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