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総説

糖尿病幹細胞を捕まえる

小島秀人

Diabetes Frontier Vol.25 No.4, 391-400, 2014

[はじめに] 2000年7月, インスリン依存型糖尿病の治癒を目指せる治療法がカナダ, アルバータ大学から報告された1). 後にエドモントンプロトコール(Edmonton Protocol)と呼ばれる画期的な膵島移植法である. ステロイド剤に代わって投与された新規免疫抑制剤は, 肝臓内に移植された膵島に対して全く悪影響を及ぼさず, レシピエントがもつ自己免疫ならびに移植後の拒絶反応を完全に抑えた. そして, 膵島移植を受けたすべての患者(治療開始後4ヵ月から15ヵ月目の7名)がインスリン依存状態から離脱した. 新世紀の門出に相応しい報告だった. あれから10年余り. エドモントンプロトコールによる治療例は数百となり, 世界中で糖尿病を克服できる理想的な治療となるはずであった. しかし, 予想通りにはいかなかった. 治癒はおろか, 移植後5年目までに実に90%以上の患者がインスリン注射の再開を余儀なくされた2).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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