糖尿病と運動・リハビリテーション
運動療法とマイオカイン
掲載誌
Diabetes Frontier
Vol.25 No.4 381-385,
2014
著者名
藥師寺洋介
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細井雅之
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田中史朗
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
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糖尿病
診療科目
一般内科
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循環器内科
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リハビリテーション科
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腎臓内科
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糖尿病・代謝・内分泌科
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老年科
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小児科
媒体
Diabetes Frontier
[はじめに] 2型糖尿病患者において, 運動療法は食事療法と双璧をなす重要な治療と位置付けられている. 運動に伴い全身のインスリン感受性が亢進し, 骨格筋でのブドウ糖取り込みが増加して血糖が低下するほか, 長期間の運動療法継続によりインスリン抵抗性の改善や, 動脈硬化性疾患のリスクを低下させることが期待できる. これらの運動による代謝系への影響は「運動効果」としてよく知られているが, 最近までそのメカニズムについては十分には解明されていなかった. 近年の研究により, 骨格筋はさまざまなサイトカインを分泌する内分泌組織であることが明らかになってきている. 骨格筋由来のサイトカインは「マイオカイン」と呼ばれており, 骨格筋のグルコース取り込み増加, 筋肥大や運動中の肝臓での糖新生促進などの作用のほか, 骨形成や血管新生, さらにはGLP-1 (glucagon-like peptide-1)分泌を介したインスリン分泌促進作用など種々の作用をもたらすことが知られている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。