糖尿病と運動・リハビリテーション
異所性脂肪と運動
掲載誌
Diabetes Frontier
Vol.25 No.3 237-240,
2014
著者名
田村 好史
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
糖尿病
診療科目
一般内科
/
循環器内科
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腎臓内科
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糖尿病・代謝・内分泌科
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老年科
/
小児科
媒体
Diabetes Frontier
「異所性脂肪とインスリン抵抗性」ヒトにおいて, 脂肪の大部分は脂肪組織に蓄えられる. しかし, それ以外の「異所」にも脂肪は蓄積され異所性脂肪と総称される. インスリン感受性臓器である骨格筋, 肝臓における異所性脂肪蓄積はそれぞれの臓器のインスリン抵抗性を惹起し, 2型糖尿病やメタボリックシンドロームを引き起こす原因になっていることが最近明らかとなりつつある. 一般的に, 肥満に伴ってインスリン抵抗性が出現するが, そのメカニズムとして肥満によって大型化した脂肪細胞から放出される遊離脂肪酸(free fatty acid: FFA)の重要性が指摘されている1)-3). 1999年にヒトにおいてproton magnetic resonance spectroscopy(1H-MRS)法で細胞内の脂質量(異所性脂肪)を測定可能になり, 肥満者やFFAの点滴後に異所性脂肪の蓄積が生じ, それが骨格筋, 肝臓におけるインスリン抵抗性を惹起することが明らかとなってきた.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。