【特集 グルカゴン・ルネッサンス】
グルカゴン作用を考慮した2型糖尿病治療
掲載誌
Diabetes Frontier
Vol.25 No.2 181-183,
2014
著者名
宮塚健
記事体裁
抄録
疾患領域
糖尿病
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
/
小児科
媒体
Diabetes Frontier
「はじめに」糖代謝におけるグルカゴン作用の重要性は以前から指摘されていたが, インクレチン関連薬によるグルカゴン分泌抑制作用が明らかになり, またグルカゴン作用を標的とした新規治療法が開発されるなかで, この古くて新しいホルモンの重要性が再評価されている. 本稿では既存の血糖降下薬の作用機序をグルカゴン作用の観点から見直すことで, 糖尿病薬物療法に対する理解を深めたい. 「I. インクレチン関連薬によるグルカゴン分泌抑制」インクレチン関連薬[DPP-4(dipeptidyl peptidase-4)阻害薬およびGLP-1(glucagon-like peptide-1)受容体作動薬]投与下においてグルカゴン分泌が低下することは数々の基礎研究・臨床研究から疑いの余地がないであろう. Hareらは, 2型糖尿病患者を対象にGLP-1静脈内投与とグルカゴン静脈内投与, そしてソマトスタチン投与(内因性グルカゴン分泌とインスリン分泌を強力に抑制)とを複雑に組み合わせた正常血糖クランプ試験を行い, 血漿中のグルカゴン濃度を一定に維持した状態ではGLP-1の血糖低下作用が著しく抑制されることを見い出した1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。