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特集 グルカゴン・ルネッサンス

グルカゴンの全身における作用

大塚雄一郎山口賢石原寿光

Diabetes Frontier Vol.25 No.2, 169-173, 2014

「概要」グルカゴンは, cAMP依存性プロテインキナーゼ(PKA)を介して, 肝臓でのグリコーゲン分解の促進/グリコーゲン合成の抑制および糖新生を促進し, 血糖を上昇させる作用があり, インスリンの拮抗ホルモンとして知られている. その役割は糖代謝においてよく研究されているが, さらにさまざまな代謝面で重要な作用を担っており, 脂肪細胞での脂肪分解, 消化管蠕動運動の抑制作用, 食欲抑制作用や熱産生の亢進作用が知られている1)(図1, 表). 「I. グルカゴンの分解・排泄」グルカゴンは比較的速やかに循環血中で除かれ, 半減期は約5分であり, 腎臓と肝臓で, それぞれ30%, 20%が処理される. 残りの50%は血中でセリン・システインプロテアーゼ, DPP-4(dipeptidyl peptidase-4)などの酵素により蛋白断片に分解される. 分解されたグルカゴンのすべてがそのまま排泄されるわけではない.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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