【特集 2型糖尿病治療の新時代を迎えて】
Na+/グルコース共役輸送担体(SGLT2)阻害薬 (4)SGLT2阻害薬の臨床的意義と諸課題~開発状況の面から~
掲載誌
Diabetes Frontier
Vol.24 No.6 717-720,
2013
著者名
黒瀬健
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岩崎真宏
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清野 裕
記事体裁
抄録
疾患領域
糖尿病
/
腎臓
診療科目
一般内科
/
循環器内科
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腎臓内科
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糖尿病・代謝・内分泌科
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老年科
/
小児科
媒体
Diabetes Frontier
[はじめに] SGLT (sodium glucose cotransporter) 2は, 腎におけるグルコースの再吸収において, 近位尿細管での低親和性ながら高用量の糖輸送を担っている. 天然のSGLT2遺伝子変異が家族性腎性糖尿において発見されたことは非常に重要な情報を提供し, 今日のSGLT2阻害薬開発につながった. 本稿ではこのSGLT2阻害薬の開発状況における諸課題について考えてみたい. [I. フロリジンから始まったSGLT2阻害薬の歴史] フロリジンは1835年にフランスの化学者De Koninckらが, リンゴ, 梨などの樹皮から単離した配糖体である1). ブドウ糖の分子に加え2個の芳香環をアルキル基で結合した構造をもつ分子である. 1886年にVon Meringは, 1gを超える高用量のフロリジンの経口投与がヒトで尿糖を引き起こすことを示した2).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。