【特集 2型糖尿病治療の新時代を迎えて】
              
 インクレチンと血糖管理 (7)DPP-4阻害薬治療薬の位置づけ~インスリンとの併用療法の意義は?~
                  掲載誌
                
 
                  Diabetes Frontier
                  Vol.24 No.6 688-693,
                  
                    2013
                  
 
                    著者名
                  
  
                          坂本 昌也
                        / 
                          西村 理明
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          抄録
                        
 
                    疾患領域
                  
  
                          糖尿病
                        
                    診療科目
                  
  
                          一般内科
                        / 
                          循環器内科
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                          腎臓内科
                        / 
                          糖尿病・代謝・内分泌科
                        
 
                    媒体
                  
 
                      Diabetes Frontier
                    
 [はじめに] 2型糖尿病患者においては, 経口血糖降下薬による治療やインスリン療法のみでは, 良好な血糖コントロールが得られないことがあり1), より厳格な血糖コントロールを目的として, インスリン療法に加えて血糖降下薬を併用することは日常診療にて行われているが, ときに低血糖が発現し問題になっている2). Dipeptidyl peptidase-4 (DPP-4)阻害薬は低血糖を起こすリスクが少ない経口血糖降下薬であり, 炎症系マーカー改善報告も多くまた臓器保護効果も期待され, 広く臨床使用されている. 海外においては, インスリン療法にDPP-4阻害薬を追加投与することによって低血糖を増加させず, HbA1cを改善させるとの報告がある3)-5). わが国においては, 2011年9月にシタグリプチンがインスリン製剤との併用療法の承認を取得後, 他剤においても使用可能な製剤が増えており, 混合型インスリン製剤や強化インスリン療法, basal supported oral therapy (BOT)を対象に, 追加投与することで, 重篤な低血糖を起こさずにHbA1cを改善したという報告がされてきている6).
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。