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基礎講座 体質からみた糖尿病―ジェネティクス・エピジェネティクス―

糖尿病とエピジェネティクス

亀井康富小川佳宏

Diabetes Frontier Vol.24 No.4, 447-452, 2013

「はじめに」代謝関連疾患の多くは多因子疾患であり, 遺伝素因と栄養環境などの環境因子が複雑に相互作用することにより発症する. その分子基盤の1つとしてエピジェネティックな遺伝子発現制御が注目されている(図1). たとえば, 疫学調査や動物モデルを用いた研究により, われわれの生体内では胎児期や新生児期の栄養環境が何らかの形で記憶され, その後の肥満, 糖尿病など代謝関連疾患の罹患性に影響を与えるという概念が提唱されている(Developmental Origins of Health and Disease:DOHaD)が, この記憶の仕組みとしてエピジェネティクスの関与が想定されている. すなわち, 胎児期~新生児期に曝された栄養環境により代謝関連遺伝子のDNAメチル化, ヒストン修飾などが個体ごとに調節され, その後維持されることで遺伝子発現量に個体差が生じた結果, 成人期の肥満や生活習慣病の罹患性に影響を与えると考えられる.
「Key Words」DNAメチル化,ヒストン修飾,β細胞,PGC1α,PPARγ

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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