<< 一覧に戻る

特集 インクレチン関連薬の多面的作用の理解に向けて

インクレチン,DPP-4阻害薬の神経細胞保護作用

中村二郎神谷英紀

Diabetes Frontier Vol.24 No.3, 308-314, 2013

「はじめに」インクレチンは, 経口摂取された栄養素が消化管を通過する際に腸管内分泌細胞から分泌され, 栄養素の取り込みに合わせて膵β細胞からのインスリン分泌を増強するホルモンの総称である. 現在のところ, GLP-1(glucagon-like peptide-1)およびGIP(glucose-dependent insulinotropic polypeptide)の2つのペプチドがインクレチンとして機能することが確認されている. そのなかで, 糖尿病治療薬として注目されたのはGLP-1であり, 内因性GLP-1およびGIPの分解を阻害するDPP-4(dipeptidyl peptidase-4)阻害薬およびGLP-1受容体作動薬が血糖降下薬として使用されている. 一方, インクレチンにはβ細胞に対するインスリン分泌促進作用以外にも膵外作用のあることが注目されている. 膵外作用としては中枢神経系を介する食欲の低下, 胃運動機能の抑制, 膵β細胞の再生および心血管保護作用などが注目を集めているが1), 近年の報告ではインクレチン関連薬がさまざまな神経疾患に有効である可能性が示唆されている.
「key words」インクレチン,GLP-1,GIP,DPP-4阻害薬,糖尿病性神経障害

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る