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特集 小児・思春期糖尿病の最近の動向

日本人新生児糖尿病の関連遺伝子の検討

森谷眞紀横田一郎

Diabetes Frontier Vol.23 No.6, 700-707, 2012

「はじめに」新生児糖尿病(neonatal diabetes mellitus: NDM)は, 新生児期(生後1ヵ月)~6ヵ月以内に発症する糖尿病である. 高血糖, ケトアシドーシス, 多尿, 脱水などの症状を契機に発見され, インスリンの絶対的欠乏状態を呈しインスリン治療を必要とする. 1型糖尿病とは異なり自己抗体は陰性で疾患感受性HLA Class IIハプロタイプを認めない. 本疾患は, 日本人約9万人出生/1人の頻度で発症する非常に稀な疾患である. 従来, 日本人NDM発症頻度は30~50万人出生/1人程度と考えられてきたが, 京大グループらによる過去3年間の全国調査の結果, 約9万人出生/1人と, 想定より高頻度であることが確認された(第55回日本糖尿病学会年次学術集会2012年公表). ちなみに, フランス, 米国では30~50万人出生/1人, ドイツは8.9万人/1人である.
「key words」新生児糖尿病,KATPチャネル遺伝子,pUPD,遺伝子変異

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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