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特集 小児・思春期糖尿病の最近の動向

小児期糖尿病における血糖管理指標の意義と課題

雨宮伸

Diabetes Frontier Vol.23 No.6, 678-683, 2012

「I. 小児・思春期糖尿病における血糖管理目標の成人との違い」糖尿病における血糖管理目標は合併症進展予防にあることは, 従来DCCT(Diabetes Control and Complication Trial)研究における報告からも明らかにされ1), 引き続くEDIC(Epidemiology of Diabetes Interventions and Complication)で初期の血糖管理の良否がその後の細小血管症のみならず大血管症の進展にも関与することが明らかにされてきている(図1). この効果は1型糖尿病におけるmetabolic memoryとして提唱された2). 表1にDCCTにおける思春期患者と成人患者の血糖管理の相違を示す. この時のHbA1cのデータをみると, 成人に比べ思春期患者のHbA1cは明らかに高値であった. しかし, 強化療法群では従来の1日1~2回のインスリン治療群に比べ, HbA1cは思春期群でも明らかに低値で, また合併症進展の抑制には成人とほぼ同様な効果を認めた.
「key words」小児糖尿病,HbA1cによる診断,血糖管理目標,血糖管理指標,生物学的変異性

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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