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特集 糖尿病性腎症の現況と今後の展望

発症・進展のメカニズムと治療展望(4)栄養感受性蛋白質の腎症治療標的としての可能性

久米真司猪木健

Diabetes Frontier Vol.23 No.5, 554-560, 2012

「はじめに」TOR(target of rapamycin)キナーゼやSirt脱アセチル化酵素は, 細胞内のエネルギー状態に応答して働く蛋白質で, それらの発現は酵母からヒトに至るまで保存され, あらゆる組織/細胞に偏在する. それぞれの蛋白質は全く異なる触媒活性形式を示すが, ともに蛋白質の翻訳後修飾(リン酸化, アセチル化)をそれぞれ調節する. 興味深いことにこれらの蛋白質はともに, 代謝, 発癌, 老化の調節に深く関与するのみならず, 近年の研究により, 糖尿病性腎症を含む腎疾患の成因に重要な働きを有することが示唆されつつある. 本稿では, これらの栄養感受性蛋白質の糖尿病性腎症の発症, 進展における役割を紹介し, 腎症治療の標的因子としての可能性を概説する. 「I. TOR蛋白」TOR蛋白質はそもそも, バクテリアから抽出されたマクロライド, ラパマイシンの細胞増殖抑制作用の原因蛋白質として発見された.
「key words」mTOR,ラパマイシン,ポドサイト,SIRT1,レスベラトロール

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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