基礎講座 糖尿病患者の“血管を診る”~画像化と機能評価~
血圧測定~診察室血圧,家庭血圧,24時間血圧,AI,中心血圧~
Diabetes Frontier Vol.23 No.4, 467-472, 2012
「はじめに」糖尿病における血管障害, 特に大血管障害には血圧が密接に関係している. 糖尿病患者は高血圧を伴うことが多く, その場合には血糖, 血圧ともに厳格なコントロールを要する. 血圧は通常, 診察室で測られるが, それが診療に活かされるには正しく測定されねばならない. また, 家庭血圧や24時間自由行動下血圧から得られる情報は, 診察室血圧では得られないものが多く含まれている. さらに最近では, 中心血圧と呼ばれる心臓に近い動脈圧や, 脈波の増幅係数(augmentation index:AI)の意義も注目されている. 本稿では, それぞれの血圧の測定法や注意点, 基準値や臨床的意義などについて概説する. 「I 診察室血圧」診察室血圧は, 上腕用カフが付属した水銀血圧計を用いて, 聴診法により測定される場合が多い1)2). カフを急速に加圧した後ゆっくり減圧し, 血流の音(コロトコフ音)が聞こえ始める第I相が収縮期血圧, 音が聞こえなくなる第V相が拡張期血圧となる.
「Key Words」高血圧,診察室血圧,家庭血圧,24時間血圧,中心血圧,増幅係数
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。