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特集 糖尿病と妊娠における新たな展開

腎症合併妊娠の現状と未来

守屋達美市川雷師

Diabetes Frontier Vol.23 No.4, 438-444, 2012

「はじめに―糖尿病腎症と妊娠」糖尿病腎症(以下腎症)合併妊娠は増加していくのか, そしてその展望は. この重要な問題に触れる前に, 腎症の概念・病態を振り返ってみたい. 腎症は, 初期にはアルブミン尿の出現を主徴とし, やがて持続性蛋白尿の出現を経て次第に腎機能が低下する慢性の病態である(表1). すなわち, 妊娠可能な糖尿病女性が, 糖尿病病悩期間の長期化に伴い腎症を発症した際には, 表1のような経過をたどる. 腎症には5つの病期があり, それぞれの時期において妊娠という状況があり得る. 一方, 慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の概念が広まり, 近年では腎症の考え方も変遷している. たとえば, 正常アルブミン尿(NA)あるいは微量アルブミン尿(MA)で推定GFR(eGFR)の低下を示す糖尿病患者が少なからず存在する. その患者が腎症であるのかどうかという議論も重要であるが, さまざまな状況の妊婦が医療機関に訪れることになる.
「key words」糖尿病腎症,妊娠高血圧症候群,妊娠,腎症合併妊娠

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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