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特集 糖尿病と妊娠における新たな展開

妊娠時の持効型インスリン使用に関する新知見

柳沢慶香

Diabetes Frontier Vol.23 No.4, 430-433, 2012

「はじめに」耐糖能異常合併妊娠では, 母児の合併症予防のため厳格な血糖管理が必要であり, 妊娠中の薬物療法は原則, インスリン療法である. 生理的インスリン分泌を再現し, よりよい血糖コントロールを行うため, 遺伝子組み換え技術を用い, インスリンアナログ製剤の開発が進められてきた. しかし, 自然界に存在しないインスリンアナログ製剤は, その抗原性や腫瘍原性などが問題となる. 特に妊娠中の使用に関しては, 母体や胎児に対する安全性を確認することが大切である. 「I. 持効型インスリン」現在, わが国で使用されている持効型インスリン製剤は, インスリングラルギンとインスリンデテミルの2剤である. 従来, 基礎分泌を補うため使用してきた中間型インスリンは, 血中インスリン濃度にピークがみられる, 皮下からの吸収が一定しない, 作用時間が短いなどの欠点があり, 血糖の変動や夜間の低血糖の原因となってきた.
「key words」インスリンアナログ製剤,インスリンデテミル,インスリングラルギン,妊娠

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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