<< 一覧に戻る

特集 糖尿病と妊娠における新たな展開

Continuous Glucose Monitoringからみた妊娠時の血糖変動

西村理明

Diabetes Frontier Vol.23 No.4, 418-423, 2012

「はじめに」糖尿病の治療目標は, 一般的には糖尿病をできるだけ早期に発見して介入することにより, 糖尿病の合併症の発症を予防すること, さらに合併症がすでにある場合はその進展を阻止することである. 妊娠糖尿病ならびに糖代謝異常合併妊娠においては, 血糖値を適切にコントロールすることにより, 周産期に起こりうるトラブルならびに合併症が発症する確率を可能な限り低くすることである. 現在, 糖尿病患者における血糖コントロール指標として主に使用されているのはHbA1cと血糖値である. しかし, HbA1cは基本的に, 長期にわたる血糖変動の平均値を反映する指標である1). したがって, 日々の細かな血糖変動を反映しない2). 一方, 血糖値を把握するための一般的な手段は, 血糖自己測定(self monitoring of blood glucose:SMBG)である. 2012年4月より, 在宅妊娠糖尿病患者指導管理料を算定することにより, 妊娠中で通院しているすべての糖尿病患者においてSMBGの施行が保険適用になった.
「key words」妊娠糖尿病,糖代謝異常合併妊娠,CGM,SMBG,血糖変動

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る