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目でみるページ 糖尿病と感染症

糖尿病と胆嚢炎

阪口友香子村田真衣子下直樹川口祥平狭間洋至久保田昌詞大橋誠野村誠

Diabetes Frontier Vol.23 No.4, 385-389, 2012

「はじめに」糖尿病患者における感染症の発症率は高率であり, 特有の病態を示したり重症化することも少なくない1). 治療経過中にはさまざまな感染症を併発するが, しばしばその感染巣の特定が困難な場合がある. 糖尿病に起因して, 神経障害に伴う胆汁うっ滞, 高コレステロール血症を伴う胆石を合併し, 胆道感染症を高率に併発する2). なかでも気腫性胆嚢炎は, 古くから特に糖尿病との合併が高いと指摘されている3). 気腫性胆嚢炎は, ガス産生菌を起因菌とした胆嚢壁および胆嚢内に特異なガス像を認める急性胆嚢炎の一亜型であるが, ひとたび発症すると, 通常の胆嚢炎に比べて穿孔をきたしやすく, 重篤な経過をたどることから予断を許さない合併症である. 当施設で高齢2型糖尿病経過中に意識障害をきたして緊急入院し, 気腫性胆嚢炎の併発を確認された1症例を経験したのでその治療経過を呈示する. 【症例】79歳, 男性

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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