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対談

糖尿病治療,主にインスリン治療に対する課題と今後の展望

難波光義羽田勝計

Diabetes Frontier Vol.23 No.2, 221-225, 2012

インスリンの発見から90年余りが経過した. その間, インスリン製剤やデバイスの改良に伴って, 糖尿病治療は大きく進展したが, いまだ改善すべき課題は多い. 今回は, 糖尿病治療, 主にインスリン治療の位置づけと課題, これからのインスリン治療の展望についてお話し合いいただいた. 「インスリン治療の変遷」 「アナログ製剤の登場で血糖管理やQOLは大きく向上」 「羽田」 インスリンの発見から90年余りが経ちますが, この間にインスリン治療は様々な発展を遂げてきました. まず, インスリン治療の変遷を振り返ってみたいと思います. 「難波」 インスリンは1921年にBantingとBestによって発見され, 翌年には臨床応用されて, それまで有効な治療法のなかった糖尿病患者を数多く救ってきました. 当時のインスリンはウシやブタ由来であり, アレルギー反応や作用時間の短さが問題とされていましたが, インスリンの結晶化やプロタミンインスリンの開発を経て改良が進み, 1980年代にはヒトインスリンの合成が可能となりました.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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