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基礎講座 糖尿病患者の“血管を診る”~画像化と機能評価~

PAD評価法:ABPI,TBPI,tcPO₂

松尾汎

Diabetes Frontier Vol.23 No.2, 203-210, 2012

「はじめに」 ABPIとは, 足関節・上腕血圧比(ankle brachial pressure index : API, ABIとも略される)の意で, 上肢と下肢の血圧の比率である. TBPIは足趾・上腕血圧比(toe-brachial pressure index : TPI, TBIとも略す)である. tcPO2は経皮酸素分圧(transcutaneous measurement of oxygen tension)で, 皮膚表面で局所の酸素分圧を評価した虚血の指標である. ABPI, TBPI, tcPO2ともに下肢の循環障害を判定する良い客観的指標となっている. ここでは, これら検査の原理, 測定法, および臨床的意義の概略を紹介する. 「I 下肢循環障害について」 血液は全身を循環しており, 血管の内腔が種々の原因で狭くなったり, 詰まって(狭窄・閉塞)「循環障害」が生じる. 循環障害は灌流する臓器の機能や組織に障害をきたすが, 手足(四肢)などの末梢動脈での循環障害をきたす末梢動脈閉塞症(peripheral arterial occulusive diseases : PAOD, PAD)には急性と慢性(chronic PAOD, PAD)があり, その中に動脈硬化に由来する閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans : ASO)や血管炎のバージャー病(thromboangiitis obliterans : TAO), 高安病などが含まれる.
「Key Words」生活習慣病,動脈硬化(粥状硬化),Fontaine分類,間歇性跛行,重症虚血肢

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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