<< 一覧に戻る

特集 私が経験した大震災からみた糖尿病対策への提言

東日本大震災の経験から Ⅳ 宮城県の経験から(2)

赤井裕輝

Diabetes Frontier Vol.23 No.2, 165-169, 2012

「I. 大地震への準備は始めていたものの」 宮城県では宮城県沖の日本海溝海底でマグニチュード7.5クラスの地震が30~50年周期で発生する. いわゆる“宮城県沖地震”であるが, 前回は1978年であったので, そろそろ次の宮城県沖地震の起こる時期となり準備を呼びかけられていた. 糖尿病診療に携わる医療者はどのような準備をすべきか, 私たちは新潟県中越地震を経験された長岡中央綜合病院の八幡和明先生をお招きし災害対策セミナーを開催するなど, 対応の検討を始めていた. さらにコメディカルスタッフに呼びかける目的で『糖尿病ケア』誌に原稿も寄せていた1). 患者教育はすぐにも始められるので, 1人ひとりに準備を促すことは始めていた. そんな矢先, 50年周期ではない1,000年周期の超大型地震に見舞われた. 東北労災病院は仙台市北部に立地する病床数550床の基幹病院で, 日本糖尿病学会研修指定病院, 臨床研修病院, 災害拠点病院, 地域医療支援病院, 地域がん診療連携拠点病院などの指定を受けている.
「key words」東日本大震災,大災害,糖尿病診療,患者教育,インスリン供給

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る