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特集 私が経験した大震災からみた糖尿病対策への提言

新潟県中越地震の経験から災害時の糖尿病医療を考える

八幡和明

Diabetes Frontier Vol.23 No.2, 126-130, 2012

「はじめに」 2011年3月11日以降テレビをみていると緊急地震速報が流れることが多い. 一瞬心がざわめくが, 日が経つにつれ最近では気にとめることも少なくなってきていないだろうか. しかし日本は地震大国, いつまた大きな地震が襲ってくるかわからない. だからこそ過去の教訓を忘れることなく今のうちに災害時の糖尿病医療対策を設計しておくべきである. 新潟県中越地震のことを振り返りながら考えてみたい. 「I. 新潟県中越地震の実際」 2004年10月23日の夕方に新潟県中越地方で震度6強の大地震が発生した. 家屋は倒壊し, 道路は寸断され, 地割れ山崩れが起きた. 電気, ガス, 水道などのライフラインはすべて切断された. 当時の病院は老朽化していて倒壊の危険を感じ, 当直医は入院患者を1階ロビーへ避難させた. ロビーには降りてきた患者や近隣から避難してきた地域住民で埋め尽くされ, どこに誰がいるのかわからないほどに騒然としていた.
「key words」大災害,糖尿病医療,新潟県中越地震,東日本大震災,災害心構え7か条

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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