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特集 メトホルミンの現況と新たな展望

メトホルミン作用の分子機構

小川渉

Diabetes Frontier Vol.23 No.1, 67-70, 2012

「I. メトホルミンの血糖降下のメカニズム」2型糖尿病患者にメトホルミンを投与した際には末梢糖取り込み能もある程度改善するが, 肝糖産生抑制能がより顕著に改善するとの報告が多く, メトホルミンの血糖降下作用の主体は肝糖産生の抑制にあると考えられる1). メトホルミンはorganic cation transporter(OCT)と呼ばれる膜蛋白を介して細胞内に流入し, 作用を発揮する(図1). OCTにはいくつかの分子種が存在するが, 肝臓に高発現するOCTの分子種であるOCT1を欠損したマウスでは肝臓へのメトホルミンの流入が阻害されるとともに, メトホルミンによる血糖降下作用が低下することが示されており2), これもメトホルミンの標的臓器として肝臓の重要性を示す所見である. 「II. メトホルミンと糖新生抑制」肝臓はグリコーゲンの分解と糖新生によって糖を産生し循環中に放出するが, 糖尿病患者では糖新生に起因する糖産生が亢進していることが知られている.
「key words」糖新生,呼吸鎖,乳酸アシドーシス,メトホルミン,AMPキナーゼ

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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