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特集 メトホルミンの現況と新たな展望

特集にあたって

河盛隆造

Diabetes Frontier Vol.23 No.1, 29, 2012

2型糖尿病の治療方針は, 内因性インスリン分泌の働きを高め, 高血糖を是正し, ひいてはインスリン分泌維持や回復を図ることにある. 永年にわたり臨床応用され, 経験的に知られている薬剤の効果の秘められた作用機序が, 新しく基礎実験により証明されるという事例を近年よく経験する. 一例としてメトホルミンの膵β細胞オートファジー調節作用をあげたい. 細胞は合成と分解のバランスを保ちつつ, 多様な外界からの刺激に柔軟に対応すべく, 細胞内の自分自身の構成成分を的確にリサイクルする機構, オートファジーを有している. 新たな蛋白の合成を開始すべく自分自身の古くなった構成成分をまとめて分解するシステムである. 私どもはインスリン抵抗性に対応しインスリン分泌力を代償性に増加する機序に, 膵β細胞のオートファジーが重要な役割を果たすことを初めて解明した(Ebato C, et al: Cell Metab 8: 325-332, 2008).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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