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糖尿病と救急医療

災害時の糖尿病医療を守るために

八幡和明

Diabetes Frontier Vol.22 No.6, 659-661, 2011

はじめに
 2011年3月11日に東日本大震災が発生し,その被害の大きさに世界中の人々が驚愕し各地から一斉に救援の手が差し延べられた。連日の新聞,テレビ報道に接するにつれ心を痛め多くの人たちがさまざまな形で支援を続けてきたことと思う。しかしあれから6ヵ月が過ぎ,時の経つごとに人々の記憶の中から抜け落ちてきているかもしれない。でも現地ではいまだに多くの人々が避難所で生活し,生活の再建の目途すら立っていない。まだまだ長期戦の中にいるのだ。
 過去には1995年の阪神淡路大震災,2004年の新潟県中越地震をはじめとして,世界中のどこかで多くの大災害が繰り返されてきた。考えてみればこの先いつどこで大災害に遭遇するか誰にもわからない。だからといってじっと待っているわけにはいかない。私たちは過去を教訓にして災害から身を守る方法を学び取らなければならない。

key words
大災害/糖尿病医療/新潟県中越地震/東日本大震災/災害心構え7か条

Ⅰ.新潟県中越地震の実際

 2004年10月23日午後5時56分に新潟県中越地方で震度6強の大地震が発生した。古い家は倒壊し(写真1),道路は寸断され,地割れ山崩れが起きた。

電気,水道やガスなどのライフラインはすべて切断された。このような大災害に遭遇したとき,個人として,職業人としてどのように行動すべきなのだろうか。われわれの経験が参考になるかもしれない。
 地震の発生は土曜日の夕方,病院には当直医と数人の医師しかいなかった。すぐさま当直医を中心に入院患者,職員,施設の安全確認を行った。廊下に階下が覗けるほどの亀裂が走り建物が倒壊するのではないかとの危機感から入院患者を1階ロビーへと避難させた(写真2)。

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