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糖尿病と救急医療

重症感染症の急性期治療と血糖管理

横田美紀吉岡成人

Diabetes Frontier Vol.22 No.6, 646-653, 2011

はじめに
 日常診療で糖尿病患者が感染症に罹患すると難治化・重症化しやすいことを経験する。日本の糖尿病患者の死因を分析した結果,悪性新生物,血管障害に次いで感染症が死因の第3位であったとの報告1)もあり,糖尿病患者において感染症の管理が重要であると考えられる。本稿では,高血糖と易感染性の関連,糖尿病患者における重症感染症の管理および血糖の管理について考えていきたい。

key words
糖尿病/感染症/易感染性/血糖管理

Ⅰ.高血糖と易感染性

 糖尿病が易感染性とされる要因として主に,①好中球機能の低下,②血行障害,③神経障害,④栄養障害があげられる。
 高血糖の免疫系への影響としては,自然免疫系が障害されることで易感染状態に陥るとの見解が多く,健常人と比較し,糖尿病患者では好中球の遊走能や接着能,フリーラジカルの産生能が低下していることが報告されており2),特に血糖値が250mg/dL以上で好中球の貪食能が低下することが報告されている3)。しかし,健常人と感染症を合併した糖尿病患者の好中球機能に差はなかったとの報告4)もあり,高血糖が免疫系に影響を与える詳細な機序については不明な点や未解決な点が多い(表1 5))。

 その他,糖尿病患者が感染症を合併しやすい要因として,血行障害や神経障害があげられ,肺炎を合併した糖尿病患者において,死亡例で血行障害の合併が有意に多かったことが報告されている6)。また,血行障害により,抗菌薬の組織移行性が低下し,治療効果が十分に得られない可能性も考えられる。

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