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ステロイド・抗VEGF療法
Diabetes Frontier Vol.21 No.5, 521-524, 2010
「はじめに」糖尿病網膜症では, 網膜の血管透過性亢進異常により起こる黄斑浮腫と血管新生を主体とする増殖網膜症が視力障害の原因となる. こうした病変に対する眼局所への薬物療法としてステロイド・抗VEGF療法が近年, 注目されている. 「ステロイド療法」まずステロイド局所療法であるが, ステロイドの抗炎症作用に加えて血管壁の強化作用や抗VEGF作用があり, 黄斑浮腫に対して使用されている. トリアムシノロンアセトニド(ケナコルト(R))を硝子体に注入する方法とテノン嚢下(結膜下の弾性組織)に注射する方法がある. 前者では即効性があるが眼圧上昇や白内障の副作用が強く, 後者では作用は弱いが持続効果があり副作用は軽度と考えられている. 黄斑浮腫の軽減作用は短期的には顕著であり期待されてきたが, Diabetic Retinopathy Clinical Research Network(DRCRnet)による報告では, 術後長期経過では黄斑光凝固術のほうが視力改善効果が優ることが明らかにされた(図1)1).
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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。