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ストレスと糖尿病

Ⅲ 個体レベルにおけるストレス反応と糖尿病 ストレス時における血糖管理

宗友厚

Diabetes Frontier Vol.21 No.4, 462-467, 2010

「はじめに」ストレスという言葉は, 元々はスプリング伸展時などに内部に生じる応力のことをいうが, ハンガリー系カナダ人の実験生物学者で内分泌臨床医でもあるハンス・セリエは, 1936年刺激に対する有害な非特異的生体反応を系統的な一連の反応と捉える考え(ストレス学説)を提唱, その後も全身性適応症候群(ストレスに対する下垂体・副腎皮質系の反応)を始め数多くの著作を遺した. ストレスという用語は, 闘いや逃走時のアドレナリン放出など緊急反応や, 急性ストレス障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD)に代表される心理的反応に加え, 最近では, 心血管疾患や自己免疫疾患・悪性新生物といった身体事象のみならず, 環境破壊や地球温暖化との関連においても使用される1). 糖尿病に関してもその病因や病態への影響という意味では, 心理・社会面だけでなく地球環境にも言及すべきかもしれないが, あまりにも広汎にわたってしまう. 本稿ではインスリン拮抗作用増加の仕組みを整理した上で, 糖尿病人口の増加とともに対応する機会が増えてきたステロイド使用・周術期・ICU糖尿病症例の血糖管理方法について概説したい.

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