糖尿病の血圧管理
(各論)糖尿病患者の心疾患の特徴と降圧治療
Diabetes Frontier Vol.20 No.6, 685-690, 2009
「はじめに」Japan Diabetes Complication Study(JDCS)の9年次中間結果は, 冠動脈疾患の年間発症率が患者1,000人当たり9.6人であり, 一般住民の2倍以上の高頻度であること, 一般住民比べて冠動脈疾患の頻度が脳卒中のそれより多いことなどの特徴を明らかにした1). さらに, 糖尿病患者の40~60%は最終的に高血圧を合併するとされていることから, 両者の合併により全死亡率は非糖尿病・正常血圧者の6~7倍にも達する. 本稿では, 糖尿病患者に合併する心血管疾患の特徴と心血管イベント抑制に適した降圧療法について大規模研究をベースに概説する. 「I. 糖尿病患者の心疾患の特徴は?」「1 冠動脈疾患」糖尿病患者の冠動脈病変の特徴は, 左主幹部, 多枝, びまん性が多く, 側副血行の発達が悪いことである. また, 合併する自律神経障害により狭心症症状が出現しにくいまま病態が進行し, 初診時にはすでに心筋梗塞を発症して心機能が低下していることもしばしばである.
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